建築家
下吹越 武人 TAKEHITO SHIMOHIGOSHI
1965年広島県生まれ。'88年横浜国立大学工学部建築学科卒業、'90年同大学院修了、北川原温建築都市研究所を経て、'97年A.A.E.設立。現在、法政大学、横浜国立大学、早稲田大学芸術学校非常勤講師。主な受賞に日本建築学会作品選奨、グッドデザイン賞、英国ARアワード大賞など。
各住戸のスタディ模型。
できるだけコンパクトな平面形状にして周囲への日影の影響を抑えたいと考えました。ヴォリュームをシンプルな形状とすることで圧迫感も軽減できます。以上の目標からスタディを重ねて、最終的に五角形の塔状ヴォリュームを採用しました。五角形平面に、全てが角部屋となるように5つの住戸を環状に配置しています。
街の楽しさが内部まで広がっていくような開放性と、街の中から心地よい居場所と住まい方を発見していくような自由度の高い居住空間をつくりたいと考えました。また、住人の多様な個性が建物の佇まいに表れることで、人々の生活が感じられる生き生きとした風景を牽引するデザインを考えたいと思いました。外観模型と全住戸の大きなインテリア模型を作ってチェックしました。つくっては壊すの繰り返しで、かなりの時間を費やしています。
窓辺のデザインを大切にして設計しました。一見すると同じような平面構成ですが、窓が切り取る風景も空や遠くの超高層ビル群、屋根の連なり、通りの様子などさまざまです。玄関を開けるとパノラミックに広がる窓辺の風景からお気に入りの自分の居場所を発見できるのではないでしょうか。居住者の方々の個性や住まい方は十人十色です。自分に合った窓辺の生活を楽しんで頂ければと望んでいます。
前面道路より建物全体を見る。
リブフレームはカウンターやベンチ、棚などの使い方を想定してデザインしてる。
様々の大きさの窓がランダムに現れている。
居住者の個性が窓辺の風景を彩る
玄関を開くとパノラミックに窓辺の風景が広がる。